原産地

原産地はインド西北部と推定されています。紀元10世紀ごろには西アジアに定着しました。ヨーロッパでは16世紀ごろ栽培が盛んになりました。
日本への渡来は10世紀以前。仏教文化とともに遣唐使によってもたらされたようですが、当初は薬用に使われていたようです。
重要な野菜として定着したのは、江戸時代末期のことでした。明治末には栽培面積でなすの1/3強にすぎませんでしたが、今やトマトと果菜類の収穫量の首位を競っています。

名前の由来

黄色い瓜、すなわち「黄瓜」が語源との説が有力。きゅうりは熟すと黄色くなり、古く日本では黄色くなったものを食用にしていたそうです。

機能性

きゅうりは、96%が水分で、カロテンが100g中330μgと比較的多いほかは、ビタミンもミネラルも多くありません。
とはいえ、利用頻度の高い野菜なので、“チリも積もれば…”で微量栄養素の補給は期待できます。
100g中14mgあるビタミンCは、トマト(15mg)や大根(12mg)に並ぶ値ですが、きゅうりには、ビタミンC酸化酵素のアスコルビナーゼが含まれているので、刻んだり、おろしたりすると、ビタミンCが破壊されるという不安はあります。ただ、この酵素は、加熱や酸に弱いので、生食なら酢の物やドレッシングを使ったサラダで食べるとよいでしょう。
また、イソクエルシトリンという利尿作用成分を含んでいるので、むくみをとる効果も期待できるそうです。

白いぼきゅうり

流通の9割を占めるおなじみの品種です。緑色が鮮やかで皮が薄く、果肉はみずみずしくて歯切れが良くやわらかいです。露地栽培、促成栽培、温室栽培が全国で行われ、通年出回っているが旬は夏から秋です。

栽培の様子

※参考文献
・「旬の食材 春・夏の野菜」発行(株)講談社
・「たべもの・食育図鑑」群羊社

※写真提供:長崎県農林技術開発センター
※取材協力:JA島原雲仙

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